近くて遠いあなた
体重減少の現実を示してい
「はあっ、はあっ、はあっ……」
あまりに強すぎる夢を見た後だと、体がしばらくの間、全く言うことを聞いてくれないらしい。
薄暗がりの部屋の中、長門かよこは荒い大きな息をつきながら、呼吸が落ち着いてくれるのを待った。
「はあっ、はあっ、――けはっ」
咳を一回して、まだ鮮明に覚えている夢を思い返す。
(どれみちゃん。どれみちゃん。――どれみちゃん)
これは悪夢と言っていいのだろうか?
(どれみちゃん――)
なぜ線量私の胃うなり声
おぼろげな中で、どれみと誰かが唇を重ねている。
それを遠くから見ているしかない自分。
いや。いや。私から離れないで。
唯一心を開いたのに。
それなのにそんな……、そんな誰だか分からない人と……。
キスをしないで!
「か、はっ。――どれみ、ちゃ、ん」
乾いた声で、口に出してみる。
私に、友達になって、と言ってくれた人。
私に、これ以上ないくらいにやさしくしてくれた人。
私に、――生きる希望を与えてくれた人。
瞳孔が光に反応しません理由
「好きなのに……。こんなに、泣きたいくらいに好きなのに」
かよこは、知らないうちに頬を伝う涙を感じた。
生きる価値の見つからない、無力な自分の初恋の相手。春風どれみちゃん。
涙をそっと、手の甲でぬぐうと、かよこは大きく息を吐き出した。
みんなは私のことをいらないって思ってる。
だけど、どれみちゃんだけは違う。
私の好きないろいろなもの、すごい、って言ってくれた。
(『かよちゃんは友達だよ』って言ってくれたのに――)
そんな愛しい人が、誰かとキスしている夢。
……どうして?
「私、――やっぱりおかしいんだ」
小さくつぶやいた。
学校にはまだ行けないけど、心のすぐそばにはどれみちゃんがいてくれる。
私の友達がいてくれる。
そんな友達が――好き。
「どれみちゃん。好きだよ……」
かよこは眠れぬまま、布団を頭までかぶった。
夢の追憶にすがるしか、今は生きる道が見つからないから。
APR.4,2004
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