名古屋大学生命農学研究科・農学部 > 農学部案内 > 研究室トピックス・資源生物科学科
1978年、名古屋大学大学院農学研究科博士課程後期課程満期退学、三菱化成(株)生命科学研究所、名古屋大学農学部助手、同農学部助教授等を経て、1998年、名古屋大学大学院生命農学研究科教授
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動物や植物はもちろんのこと、細胞核のない原始的なバクテリアにもほぼ24時間周期で時を刻む生物時計があるというから生命の神秘には驚くばかりです。生物時計はいろいろな生理機能の調節に深く関わっているために、その研究は近年熱い注目を浴びています。例えば、生物時計のある場所が特定されたり、その部品となる遺伝子が見つかったりして、その正体が少しずつ明らかになっていますが、まだまだ謎に満ちた世界だと言えます。
シーファンと疲労
私たちの研究室では、生物時計の仕組みを調べつつ、さらにその応用分野の開拓をめざしています。例えば、「睡眠リズム障害」や「うつ病」など、リズム異常を伴う心の病を研究するためのモデルマウスの開発や、ウズラやニワトリなどが日の長さを測定して季節繁殖をする仕組みなどを探っています。このように、生物時計に関する先端的研究をすることで、人の生活を豊かにする成果を生み出したいと私たちは考えています。
1991年、名古屋大学大学院農学研究科博士課程後期課程修了、カンサス大学医学部博士研究員、名古屋大学農学部助手等を経て、1998年、名古屋大学大学院生命農学研究科助教授(現准教授) 2004年、大学共同利用機関法人自然科学研究機構基礎生物学研究所客員助教授(併任)
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発熱温度の換算表
動物は栄養不足やストレスに直面すると、生殖機能がぐっと抑制されます。これは、脳が危機的な状況を感知して、生殖機能を維持するより生きのびることを優先するように指令を送るためです。私たちの研究室では、このような現象がどのようなメカニズムによって調節されているのかを、ラットを用いて神経内分泌系の変化に注目して研究を展開。この分野では、世界的にも評価されています。また、卵巣から分泌される性ホルモンのうち、とくにエストロジェン(いわゆる女性ホルモン)の脳内での作用についても研究を進めています。これらの研究の成果は、家畜の繁殖効率の向上や、ヒトの栄養失調や摂食障害による月経不順の治療などに役立てることができます。
さらに最近では、性による脳の違いについても研究を広げています。性行動だけでなく性と直接関連しないことにも性差があると言われていますが、脳に性差はあるのか、脳に性差がある場合それがどのように形成されるのかについて、ラットを用いて研究を行っています。ヒトでは研究が困難なので、実験動物で生物学的な性差を明らかにすることは、ヒトにおける脳の性差の有無やその形成メカニズムの理解に役立つと考えるからです。
信仰ベースの減量プログラム
1987年、名古屋大学大学院農学研究科博士課程後期課程修了、同農学部助手、同農学部助教授を経て、2004年、名古屋大学大学院生命農学研究科教授
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農業技術が進歩した今でも、世界的には毎年、10〜15%の食糧が植物の病気によって失われています。これは約5億人分の食糧に相当するというから驚くべき数字です。このような食糧の安定供給を脅かす植物病害の約80%はカビが原因です。カビは、地球上に約10万種存在すると言われていますが、作物に病気を引き起こすものは8千種程度。進化の過程で、植物に感染する能力を獲得したものだけが病原菌になったのです。しかし、カビが植物に病気を引き起こすメカニズムは、まだはっきりとはわかっていないのが現状です。
私たちの研究室では、カビが植物に病気を引き起こすプロセス、つまり「植物への侵入」、「植物中での増殖」、「それぞれの病気に特徴的な病徴発現」などに関係する能力や、病気の伝染源として重要なカビの胞子形成について研究を進めています。具体的には、これら性質に関与する遺伝子群を探し出し、カビの植物感染メカニズムを遺伝子レベルから総合的に解明することによって、植物を病気から保護するための新たな技術開発に貢献したいと考えています。農薬だけに頼らない安全で安定した植物生産のためにも、カビの性質を十分に理解し、有害なカビを防除するより有効な技術を開発することが当面の課題です。
1987年、名古屋大学大学院農学研究科博士課程後期課程満期退学、テキサス工科大学農学部研究員、テキサス農工大学ブラックランド研究所研究員、名古屋大学農学部助手、同農学部助教授等を経て、1999年、名古屋大学大学院生命農学研究科教授
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自然界においては、死の世界(非生物圏)と生の世界(生物圏)との間でたえず物質が循環していますが、この循環において、非生物圏から生物圏へと物質が流れ込む入り口は植物なのです。私たちは植物の機能を利用して、太陽エネルギーを固定したり、食糧や生活に必要なものの多くを生産したりしています。この生産性を高めるためには、循環している物質を植物が効率的にとらえるようにする必要があります。また、深刻化する環境問題の多くは、この物質循環がうまくいかないことが原因のひとつになっています。循環資源学は、この物質循環の仕組みを理解した上で、それを制御・管理する技術の確立をめざす学問分野なのです。
さて植物において、物質をとり込むのは根です。私たちの研究室では、根による養分・水分の吸収・輸送のメカニズムについて、解剖・発育・生理学的な観点から調べています。また、実際の土の中では、資源(養水分)は不均一に分布し、時間とともに変動していますが、根はそれらに巧みに反応して資源を獲得しています。こうした植物の戦略やその遺伝的制御機構の解明もめざすとともに、作物ストレス生理、生物系廃棄物の資源化技術についても研究をしています。
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